東京・新宿で教会をお探しの皆様[淀橋教会公式ブログ]

愛による全面受容と心の癒しへの道(91)

峯野龍弘牧師

第6章 アガペーによるフォローアップ ―神の嘉される8原則―

Ⅱ.さて、このようにして第一原則をしっかりと踏まえたうえで、次に第二の原則に進みたいと思います。

では第二の原則は、「心傷つき病んでいる子供の内に本来宿っている尊い性質と尊厳を確信かつ信頼して、その癒しと回復に専念し、待望すること」です。すでにこの点については大分前に詳述しましたが、ウルトラ良い子の内には、平均的通常人に遥かに優って「尊い性質と固有の尊厳ある特性」が豊かに宿っているのです。それだけにこのような優れて尊い性質や特性を十分に理解し、受容し、それを引き出すように育てたならば、決して心傷つけ病んでしまうまでに彼らを追い込まずに済んだのですが、悲しいかな、極く幼いうちはそれに気づかず、むしろその感性を逆なでし、敢えて逆行するような世俗的価値観をもって子育てに当たってしまったがために、身体が成長するに従って、それに反して心には大きな抑圧を受け始め、徐々に心は傷ついていってしまったのです。皮肉なことにその心の純度が高ければ高いほど、ストレスを受け易く傷つき易かったのでした。

しかし、たとえその心がどんなに傷つき病んでしまったとしても、決して彼らの内に宿っていた良き資質や感性は失われてはいないのです。つまり、その「尊い性質や固有の尊厳ある特性」は、なお彼らの人格の内に温存されているのです。これは彼らが生まれた時に命の与え主である人間の創造者が、彼らに付与して下さった何ものによっても奪われることのない個性だからです。それが極度の抑圧の累積によって傷つき、心中の奥深い隅っこに幽閉され、機能停止状態に陥ってしまっているのです。ですから、この状態からの癒しと回復が必要になるわけです。その癒しと回復の最良の業が、本書における「アガペーによる全面受容」なのです。

そこで、この癒しと回復の業に従事する受容者にとって、極めて大切な気づきは、今なお彼らの内に存在する「尊い性質と固有の尊厳ある特性」を確信し、如何に現在の彼らの状態が、それと似つかわしくなく、全く正反対の様相を呈していようとも、この彼らの内に今なお留まっている心中の奥底に眠っている良き性質と特性を確信し、またそれを信頼し、今こそ本格的にウルトラ良い子形成に専念していくことです。その時、彼らの眠っていた感性が目覚め、甦り、癒され、回復していくのです。この場合、極めて重要なことはこの「確信と信頼」です。この「確信と信頼」こそが、揺るがずに彼らのケアーに当たる者に勇気と希望を与え、更には長く受容を継続していくための忍耐と努力の原動力ともなるのです。のみならず、ケアーを受ける彼らにストレスや緊張を起こさせず、より安息を与え、癒していくための豊かな包容力を生み出すのです。ですから、何とこの「確信と信頼」が彼らの癒しと回復のために大切なことであるかが、お分かりいただけたことと思います。どうぞ存分と彼らの今なお心の奥深くに有している「尊い性質と固有の尊厳ある特性」を確信し、それを信頼し、アガペーをもって全面受容し続けてみて下さい。ちなみに、ここで今一度彼らが内に宿している生まれながらの「良き性質と固有の尊厳ある特性」について、思い起こしてみましょう。

彼らの内には、以下のような優れて尊い特性と志向性が豊かに宿っているのです。

  1. 純粋志向性 夢見る人、理想主義者、メルヘン志向、空想家
  2. 本質志向性 「なぜ」を問う、生まれながらの哲学者、思索家
  3. 霊的志向性 霊的感性が強い、可視的でない世界への探究心が旺盛、永遠、死後の世界、霊の存在への関心、生まれながらの宗教家
  4. 絶対価値志向性 相対的な他者と比較する価値観に馴染まない
  5. 独創的志向性 閃きとのめり込み、科学者、文学者、芸術家
  6. 非打算的献身志向性 損得勘定に馴染まない、他者奉仕的人間、使命感が強い
  7. 他者受容志向性 温順な他者配慮、弱者保護の心に富む、隣人愛
  8. 生命畏敬志向性 自然や動物愛護

何と尊い素晴らしい鋭敏な感性でしょう。このような卓越した感性が強い だけに、世俗社会に馴染みにくく、理解されず、受容されにくいわけです。この落差の大きさがより抑圧を受け易い原因となり、幼い内から早くも抑圧が起こってしまうのです。ですから、こうした彼らの特性を良く知って、深い理解をもって、更には彼らのこの尊い感性・特性を今なおその内に秘めていることを確信し、信頼してケアーしていくことが重要となるわけです。これまたよくお分かりいただけたでしょうか。(続く)

峯野龍弘(みねの・たつひろ)

1939年横浜市に生れる。日本大学法学部、東京聖書学校卒業後、65年~68年日本基督教団桜ヶ丘教会で牧会、68年淀橋教会に就任、72年より同教会主任牧師をつとめて現在に至る。また、ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会および同教会の各地ブランチ教会を司る主管牧師でもある。

この間、特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン総裁(現名誉会長)、東京大聖書展実務委員長、日本福音同盟(JEA)理事長等を歴任。現在、日本ケズィック・コンベンション中央委員長、日本プロテスタント宣教150周年実行委員長などの任にある。名誉神学博士(米国アズベリー神学校、韓国トーチ・トリニティー神学大学)。

主な著書に、自伝「愛ひとすじに」(いのちのことば社)、「聖なる生涯を慕い求めて―ケズィックとその精神―」(教文館)、「真のキリスト者への道」(いのちのことば社)など。

感謝、賞賛の言葉を豊かに注ぐ 自尊心の回復