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愛による全面受容と心の癒しへの道(121)

峯野龍弘牧師

第8章 「アガペーによる全面受容」を実現するための愛の学習塾

さて、以上のようにかなりの長きに亘り「アガペーによる全面受容の癒しの道」について、共に学んでまいりましたが、間もなくするとこの一連の学びも終わりを迎えます。そこで本書を結ぶにあたってなお二つの点について言及し,本稿を結びたいと思います。

その二つとは、第一にアガペーによる全面受容を実現するための“愛の学習塾”としての「アガペー・ファミリー・ケアー・センター」の存在についてです。第二は、「ウルトラ良い子」の癒しのための“愛の共同体”としての「アガペー・ファミリー」の存在についてです。この二つのものの存在は、「アガペーによる全面受容」を成功させて行くために大変有益であり、かつ不可欠と言ってもよいほどに皆様にとって役立つ存在だからです。では以下に順次この二点について説明しておきましょう。

Ⅰ、「アガペーによる全面受容」を実現するための“愛の学習塾”

この学習塾を通常「アガペー・ファミリー・ケアー・センター」(略称AFCC)と呼んでいます。ここでは月例のカウンセリング・セミナーが持たれています。午前中は学習講座が持たれ、昼食時はメンバーたちが会食を共にしながら互いの体験を分かち合い、午後は「グループ・カウンセリング」と言って、順番に午前中の講義の内容に関する質疑応答がなされ、更に今直面している問題・課題についての報告が行われ、続いてこれに対する適切なアドバイスがなされます。そしてこの学習塾の存在には、概ね以下のような重要な意義と目的がそこにあるのです。

① 継続学習・反復学習の必要性

先ず第一は、継続学習・反復学習の必要性です。心傷つき病んでしまった「ウルトラ良い子」の癒しのためには、長い癒しの期間が必要です。また一度や二度学んだからと言って「アガペー」が身に付くわけではありません。のみならず知識としてそれを理解し、知ったからと言っても、それはあくまでも単に観念的知識に過ぎず、一つの方法論を学んで対処療法を試みることに過ぎません。しかし。真の「アガペーによる全面受容」は、すでに学んで来たように単なる方法論や対処療法の一つではなく、受容者の人格的、本質的、根本的な人間性もしくはその性質の変革から生み出されるものなのです。つまりその人の考え方、価値観、人生観、そしてその性質が「アガペー化」されたところから発信された新しくその人の内から溢れ出た「人格的アガペー」が、その子供を癒して行くのです。これは一朝一夕で決して身に付くものではありません。繰り返し、繰り返しの反復学習によって吟味して行かなければなりません。少しばかり成長し、身に付いたと気を良くしていると、すぐに後戻りしたり、またアガペーしているつもりが、いつしかそれが風化してしまったりするものなのです。こうしたことを予防し、「アガペー化」を深めるために大いに必要かつ役立つのが、AFCCによる継続学習・反復学習なのです。これによって毎月々自己点検し、新鮮な刺激と活力を得て、受容の濃度を増し加え、着実に「アガペーによる全面受容」を深めて行くことができるからです。まさに「継続・反復は力」です。

② 反省と改善

第二に、お互いは常に「反省と改善」が必要です。自分一人で懸命に努力していても、所詮独りよがりになり易いものです。のみならずただ一人で孤軍奮闘しているだけでは、いたずらに労苦だけが重なり、疲れ果て意気阻喪してしまいがちです。そればかりではなくあまり成果が上がらず、何か堂々巡りばかりしているかに思われ、「アガペーによる全面受容」に失望を覚えたり、疑問を感じたりしてしまうことも起こってきます。何よりも自分のアガペーの仕方に過ちや不十分さがあってもそれに一向に気付かないまま、時間ばかりがむなしく経過してしまうことになるのです。しかし、月例のセミナー(学習塾)に身を置くことにより、その都度自己点検をすることが出来、必要な反省と改善を図ることが出来ます。単なる反省だけでなく、明白に過ちや失敗点を認識することによって、二度と同じ過ちを繰り返すことがないようそこにしっかりと楔(くさび)を打ちこむことが出来、それを足場に更に上に上ることが出来るようになります。まさに「失敗は成功の素」になるのです。また当然のことながらそこから更なる良き積極的な改善がなされ、「アガペーによる全面受容」がいよいよ本格的に稼働して行くことになるのです。これもまたAFCCへの継続受講の意義と目的であり、これまた受講の恵みと言えましょう。(続く)

峯野龍弘(みねの・たつひろ)

1939年横浜市に生れる。日本大学法学部、東京聖書学校卒業後、65年~68年日本基督教団桜ヶ丘教会で牧会、68年淀橋教会に就任、72年より同教会主任牧師をつとめて現在に至る。また、ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会および同教会の各地ブランチ教会を司る主管牧師でもある。

この間、特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン総裁(現名誉会長)、東京大聖書展実務委員長、日本福音同盟(JEA)理事長等を歴任。現在、日本ケズィック・コンベンション中央委員長、日本プロテスタント宣教150周年実行委員長などの任にある。名誉神学博士(米国アズベリー神学校、韓国トーチ・トリニティー神学大学)。

主な著書に、自伝「愛ひとすじに」(いのちのことば社)、「聖なる生涯を慕い求めて―ケズィックとその精神―」(教文館)、「真のキリスト者への道」(いのちのことば社)など。