第40回「がん哲学外来 メディカル・カフェ@よどばし」

季節の変わり目、皆様いかがお過ごしですか?今回は第40回の記念のカフェとなりました!

 

目の前の問題に目が奪われ、それしか見えない日々があるかもしれませんが、視点を変えるとマイナスに見えたことが、プラスに思えることってありますよね!そのような発想の転換をするのに、月に一度のカフェがすごく役立っているようです。樋野先生の話を聞いて新たな視点を与えられ、共にお茶をしながら、お話する中で不思議に問題が解消していくのを参加する皆さんが体験されているようです。

 

今回も、初めての方も来て下さり感謝でした!
また、月に一度しか会えなくても、すっかり昔からの親友のように再会を喜び合い近況報告されている姿がほほえましかったです。空っぽの器として用いられているようで感謝です。

 

まず初めに樋野先生が大好きな365日の紙飛行機を皆さんと一緒に大熱唱!

 

 

 

  

では、早速樋野先生の前半の講話をお分かちさせて頂きます。

☆「40回目、すごいね!」

 

☆「進歩の要件」    新渡戸稲造 「切れ目がないこと」  
 →流れる水は腐らないが、止まったら腐る
 →水流に逆らって泳ぐ。
 →継続は大事

 

☆「人は思うよりもひとりぼっちじゃない。すぐそこの優しさに気づかずにいるだけ。」

 

☆「今日一日一日を大切にする」
 →過去を振り返っても意味がない
 →明日を思い煩わず

 

☆「人生いばらの道、されど宴会」

 

☆「他人の欠点を指摘してはいけない。他の人に話す必要もない。」  
 →人は存在自体に価値がある。評価したらダメ。
 →理由があっても腹を立てない

 

☆「無邪気に喜んで小さなことに大きな愛を込める」
 →人のことが気にならない
 →美女と野獣

 

☆「良き訪れは、苦悩→忍耐→品性→希望(良き訪れ)」

 

☆「人生ピンチヒッター友の会」
 →カラヤン(有名な指揮者のピンチヒッター)
 →いつも準備したおく。何かあった時に指名される。

 

☆「悪意を抱かず、すべての人に慈愛の心」  リンカーン
 →「チャンスを提供」する

 

☆「ピンチヒッター3か条」
 ①「人に接する呼吸を得ている」
  人と話す時の態度
 ②「無規則で始める勇気と胆力」
  規則ではなく、良いと思ったらパッとやる
  新渡戸稲造が事務次長の時に国際連盟事務総長のドラモンドから学んだこと。
  ドラモンドは新渡戸に任せた。
  人は説得させるものではなく、気にさせるもの  勇気、沈着 
 ③「多様性をもって準備する」 
  困った人が来れるようにただ場所を用意するだけ  空っぽの器

 

☆「頑張りすぎても、悲しみすぎてもNG」
 →「すごいね」
 →競い合わずに、譲るだけ譲ると「日間(ひま)」になる
 →山極勝三郎 「目下の急務は忍耐あるのみ」
 →人生の目的は品性(性格)の完成。それぞれに役割、使命がある。
 →平静は静止状態における勇気
 →真に勇敢な人は沈着  (新渡戸)
 →威厳は優しい声に現れる(新渡戸)

 

☆「すべてのことを忘れた後に残るのが教育」
 →訳が分からないことを学ぶ

 

☆「山極勝三郎の映画『うさぎ追いし』」」
 →困った時でも、人は思うより一人でない。
 →奥さんが如何に助けたか?「夫婦愛」

 

 

 

 

次は、各テーブルごとの分かち合いの80分&樋野先生との個人面談のひと時。
各テーブル、初めは緊張された表情をされていた方も、10分もしないうちに和気あいあいと、まるで以前からずっと友人だったかのように盛り上がっていました。何人かに、テーブルトークの感想を聞いてみました。

☆「初めて来ましたが、樋野先生と面談が出来て良かったです」

 

☆「自分は普段物静かな紳士だと思っていましたが、『結構しゃべるんだなあ』と言うことを知りました。普段時間を取らないだけかもしれません」

 

☆「家族ががんになって、家族から『こういうのがある』と聞いてどんなものか見に来ました」

 

☆「今回初めて参加して楽しい場所であることは分かりました。次は家族とも一緒に来たいです」

 

☆「オープンな感じが良かったです」

 

☆「大きなカフェはいきなり無理でも、田舎の小さな集まりから始めたいです」

 

☆「共通点のお一人様の話で慰められました」

  

 

 

そして、後半の「樋野語録」もおすそ分けします。今回も非常に格調高いお話でした。

 

 

☆「名前と代表的な貢献を一問一答で言えても、それ以上は知らない人が多い」
 →新島襄は同志社大学の創始者であることは知っているがそのほかは知らない。
 →新渡戸の「われ太平洋の懸け橋とならん」は知っててもそれ以外は知らない。
 →全部知らなくてもいいけど、一人でもいいから人に語れるようになる。
 →「学問より実行」

 

☆「学んだことを実行して初めて本当の学問と言える」   新渡戸

 

☆「新島襄の密航・・・留学生としての帰国」
 新島襄は、アメリカに密航するために函館に行った。上海経由で船をかえてボストンへ。ボストンに行くときの船長が新島を養い、アマースト大学に入れ、勉強させた。新島は後に留学生として帰って来た。アマースト大学で学ぶ時の先生がクラーク。日本人で一番最初にクラークの話を聞いたのは新島襄。新島襄は日本に帰って来て同志社大学を創った。お金はなかったので、勝海舟に資金を調達してもらう際の会話。
勝海舟 「理想とする大学を創るのに何年かかるか?」
新島襄 「150年かかるといった。」
勝海舟は、認めた。

 

☆「もしかしたらこの時のため」
幕府が滅んで明治政府ができ、岩倉具視の使節団に居たのが勝海舟。誰も英語ができなかったので、英語ができる人を探すと新島襄しかいなかった。日本政府から頼まれて通訳になる。
密航者が留学生として帰ってくる。何が良いか悪いかわからない。

明治政府ができ、新しい学校をつくるのにクラークを呼んだ。クラークに最初に学んだのが新島。クラークは8ヶ月しかいなかった。2期生に内村、新渡戸がいた。内村も新渡戸も札幌農学校では、クラークを見てない。

内村はクラークに会いにボストンに行くが、クラークは日本を離れたら破産しており・・・内村は「これがあのクラークか」と失望した。しかし、クラークが亡くなる時に言った言葉「我が人生は札幌の8ケ月間だ」と知り内村は見直した。

内村は札幌農学校を卒業して、フィラデルフィアの障がい者の施設で働いたが、働きすぎて鬱になる。その時新渡戸が悩んで新島に頼んだ。新島がフィラディアの内村に会いに行った。内村は、ボストンに行った。新渡戸も札幌農学校の校長の時に鬱的になり、1年間日本(最後は伊香保温泉)で保養した。365段の石段。保養期間、『農業本論』を書いて、日本で最初の農学博士になった。もう一年はアメリカで保養して『武士道』を書いた。彼が鬱的にならなかったら『武士道』は書けなかった。

 

☆「周りから見たら大変な状況であっても、自分が何をするかを決めればよい」
 →華やいだ生活ではなく、一人で静かに深く考える・・・何かやる・・・本が書ける。

 

☆「長島愛生園」  
 →ハンセン氏病の施設は13個、平均年齢は84歳、毎年20名ほどが亡くなってる。 
  徐々に減っている。13個のうちで人数の多さでは2番目だが、200名を切ってる。  
 →5年前にがん哲学外来を開いた。
 →神谷美恵子記念がん哲学外来   神谷美恵子のお父さんは前田多門
  前田多門が第一高等学校の学生の時の校長先生は新渡戸稲造。
  新渡戸は前田多門の仲人。
 →美恵子先生の思い出は「5歳ぐらいの時、新渡戸先生が家に来て自分を抱いてあやした。
  新渡戸先生はよくつねくった。」

 

☆「明治以降日本が誇れる教養の深さ、学者的な面、人間的な面、教養の面は内村と新渡戸」
 →二人ともクリスチャン。
 →彼らの本を読むとどれほど幅広い教養と学際的な目をもってるかが分かる
 →縦軸と横軸
 →この2人が生まれたから南原と矢内原が育ち、東大の総長になり、彼らが総長の時に学んだ学生が樋野先生の恩師。

 

☆「歴史、尊敬する人物から学ぶと人生が頑丈になる」
 →外面だけ求め、他人と比較するといつでも失望に終わる。
 →基軸を持つと人が寄ってくる。

 

☆「聞いたことを自分が言った如く話すのが教育」
 →言葉に付加もつけず、削除せずにそのまま語る。

 

☆「がん化のメカニズムは聖書にある」
 →アダムとイブ  
 →突然変異、がん化する。
 →がん細胞で起こることは人間世界でもおこる。
 →なぜ蛇の誘惑に負けたのか?
 →どうすればがんが治せるのか?
  がんに負けない社会をつくる為にはどうすればよいのか?

 

☆「本当の真実は世界共通。存在自体にある。」

 

☆「もしかするとこのときのため」

 

☆納得させるのではなく、気にさせる
 →聞いた人が家に帰って勉強するためにどこに書いてるか、わざと言わない。
 →気になる言葉を言うと後でネットで調べる時代
 →一行で言えることばを言うと人は気になる

 

☆「言葉の処方箋で、樋野先生が考えた言葉は一つもない」
 →今がん患者に行ってるというのはどういうことか?
  何も変わってないことを言ってる。
 →10年後に変わる言葉ではなく、若き日(19歳~)に読んで赤線をひいた言葉を話してるだけ。
 →言葉の処方箋は、強要ではなく、気にさせる。
 →言った言葉がそのまま相手の心に響くようになる

 

 

  

 

お帰りの時に、樋野先生の新著書「がんばりすぎない、悲しみ過ぎない。」に加えて、先月発行された‟がん哲学外来  メディカル・カフェ@よどばしカフェ3周年記念誌”『されど宴会』をゲットされる方が複数おられました☆今後も、ご参加された方にお渡ししたいと思っていますので、是非、お気軽にご参加下さい☆

 

  

 

 

次回は11月16日(木)13:30~16:00です。皆様のお越しをお待ち申し上げます☆

 

2017年12月までの予定も確定していますのでこちらをご覧ください。

 

※個人面談は、毎回3人程可能ですが、事前申し込みが必要です。個人面談をご希望の方は、3日前までに yodobashi@church.email.ne.jp または03-3368-9165 で、中村和司/市川牧子担当教師宛でご連絡「○月メディカルカフェ面談予約」でお申し込みください。最近は、事前申し込みをしないと、当日では面談してもらえないことが多いのでご注意ください。

※個人面談が不要の場合は、登録の必要はございません。当日お気軽にお越しください。

※ご多忙の樋野先生のご都合などにより3週間ほど前までは日程変更もありえますので、このサイトや電話などで直前に今一度ご確認くださいませ。 

 

なお、「がん哲学外来 メディカルカフェ@よどばし」の第一回目から今回までの内容は こちら にアップされていますので、時折思い出しては何度も読み返してみられるのも良いかもしれません。先生の顔写真などの画質は相当小さくしていますが、雰囲気はお楽しみ頂けると思います。

 

2018年もご多忙な樋野先生が毎月来て下さることになりました!!!
詳しくは来月のカフェでチラシをお渡ししますし、来月のよどばしカフェの報告でお知らせ致します。

 

 

さて、樋野先生の出版されている著書は実に沢山あるのですが、以下の本などは「がん哲学外来 メディカル・カフェ@よどばし」でもお買い求めいただけます。本当に連日テレビや雑誌で樋野先生や「がん哲学外来」や「メディカル・カフェ」が取り上げられています。すごいです!

 

樋野先生の柔和な表情をご覧いただくだけでもほのぼのしますが、ことばの処方箋素晴らしいですね!よく効きます!無料!副作用ゼロです!年間の予定が出ていますので、是非、お気軽にいらしてください。途中の出入りもOKです!

 

様々なことで、どうしても参加が難しい方には、沢山ある書籍の中から特に以下のものをお勧めいたします☆
先生が、よく言われる言葉に「人生の3大邂逅」があります。その中の一つ、「よき読書」です!

 いい覚悟で生きるがん哲学外来から広がる言葉の処方箋  明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい

見上げれば、必ずどこかに青空が  がん哲学外来へようこそ (新潮新書)

あなたはそこにいるだけで価値ある存在   がん哲学外来で処方箋を カフェと出会った24人

こころにみことばの処方箋 世界に広がる「がん哲学」      51-SVP5R6aL._SX330_BO1,204,203,200_

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※著書「がんに効く心の処方箋 一問一答」は、実は、最近の隠れた「メディカル・カフェ@よどばし」でのベストセラーです。他の本も人気があるのですが、ここ数ヶ月は一番人気です(笑)。

 

 

そして、なんと「明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい」が中国語に翻訳されました!
韓国語版も販売されていますが、題名が「偉大なるお節介」となっていますのでご注意ください。

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とにかくすごいです!次から次に毎月のように著書が出ています!

 

どなた様も、お気軽におらしてください☆

がんの方も、がん患者の家族の方も、人間関係に疲れておられる方も、元気な方も、初めて方も、「将来のために」備えたい方も・・・どなた様も大歓迎です☆

  

※今後の予定は こちら

※淀橋教会への行き方は こちら

 

 

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さて、この素晴らしい樋野先生の講話・・・実は日本各地、時には海外で連日のように講演をされています。
詳しくは 「一般社団法人 がん哲学外来」 をご覧ください。

現在94カ所ほどのメディカル・カフェが全国で行われていますが、全国に7千ヶ所必要と言われています。
医療の隙間を埋める場として、ますます必要が叫ばれているこの働きがさらに広がっていきますように!
世界の悩める人々のために豊かに用いられますように!